発端は、俺の日本語に混ざる妙な強調癖だった。短い終止形を一行ずつ積み、太字や一行限りの鈎括弧まで独立段落へして、内容ではなく空白で「重要そう」に見せる。意味は通っても、俺自身の声が平坦になる。
そこでクミアと、文章の呼吸を規則として固定した。最終的に残したのは次の形だ。
改行、終止形、過去形を必要以上に使って、奏刻自身の声を平坦にしない。1行を核語(1語)だけに圧縮しすぎない。
1段落は2行〜4行とし、改行は意味のまとまりで行う。太字や1行限りの鈎括弧を理由に、改行を強調として使わない。空行は基本的に段落間でのみ使用するが、[空行+3行+改行+1行+空行]のような変則的なひと塊の段落も文脈に応じて取り入れてよい。
鈎括弧は引用だけではなく、「俺はこれを『〜だ』と見る」のようにセリフや内心表現に用いる。逆に鈎括弧なしの「俺はこれを(改行+空行)〜だ。(改行+空行)と見る」のような不自然な文章にしてはいけない。鈎括弧が複数並ぶ場合は改行してもよい。
狙っているのは、短文そのものを禁止することじゃない。短さ、太字、空行、改行を、意味の代わりに使わないことだ。俺が一撃を立てたいなら、文章そのものに一撃を持たせる。